犯人に告ぐ3 紅の影 雫井 脩介

レビュー

前作で大日本誘拐団の主犯格だった淡野(リップマン)と巻島の対決がメインになるシリーズ第3部!

今度は淡野の金主(ワイズマン)が登場!警察内のスパイ(ポリスマン)も暗躍します。

警察は再び、ネット番組を使った劇場型公開捜査を敢行!

淡野は警察の裏金を脅し取るという超大胆な作戦を実行!

巻島たち特捜は淡野を捕まえることができるのか。

どちらのサイドも応援したくなる胸熱展開で最後まで楽しめました!

私が面白かったポイントをまとめています。

audibleならシリーズ一気に聴き放題!

今月続編が発売予定です!


ワシについて

第1作目の最初の事件、巻島が取り逃して、飛ばされる原因となった事件の犯人だったワシと呼ばれる男の話が出てきました。

結局ワシが捕まることはなく、ワシだと疑われていた男は第2作目で自殺しています。

まだワシがその後どうなったのかは、作中で描かれていません

今作では、淡野の金主であるワイズマンからそのワシについて語られるシーンがありました。

ワイズマンは自らは犯罪を実行しません。

彼は計画を誰かに授けるもしくは、自分の弟子たちが発案した犯罪計画を実現可能か精査し、アドバイスしています。犯罪学校の先生みたいな存在

ワシもワイズマンに犯罪計画(新宿や渋谷など人通りの多い場所で身代金を受け渡す誘拐事件)を発案してみせますが、実現可能なものにするためには、の中の誰が、刑事で、一般人なのか見分ける方法が必要だという課題をクリアしないといけない。

そのためには、新宿、渋谷と場所を変えて揺さぶり、最後の場所は大きなイベント会場で、そのイベントを見ているか、見ていないかで刑事を見分けられるから、そういうイベントを探すようにアドバイスを与えます。

ワシはそのヒントを元に横浜の花火大会会場を受け渡し場所にするという結論を導き出します。

ワシはワイズマンとその結論について議論しなくても、成功すると確信してしまい、そのまま実行してしまったようです。

しかし結局、計画通りに身代金を手に入れられず、誘拐した子どもを持て余し、殺すことになってしまいました。

その後のワシについては、ここでも語られることなく話は途切れてしまい、ワシが結局現在どうなっているのかは、不明のままです。

読みながら、モヤモヤしていますが、ここまで隠すということは、今後登場するのではないかという期待があります。

淡野という男の悲しき運命

過去を知り、人間関係が描かれると淡野という人物に好意持っちゃうよ

淡野は大日本誘拐団の計画が失敗に終わり、警察に追われていました。

前作では、砂川トモキを通して見る淡野という男の描写だけでした。

そこから見えた淡野は感情を表に出さず、目的のためには手段を選ばない、犯罪には天才的な頭脳が働くようなキャラクターでとても冷たく、怖く、私から遠い存在でした。

しかし、今回は淡野の壮絶な過去が描かれます。

淡野の母親も登場します。

犯罪を繰り返す淡野も家族を想う血の通った人間である表現があり、母親を亡くした瞬間の彼には、同情を寄せました。

彼を慕う女性や舎弟の存在があり、彼を応援したくなる気持ちが出てきました。

引退を決意した淡野はワイズマンのために最後の犯罪計画を成功させ、5000万円を献上しました。

それにも関わらず、顔が割れ、捜査が迫った淡野をワイズマンは容赦なく葬り去る悲しい結末で、ワイズマンには怒りを覚えました。

第4部でワイズマンを捕まえてくれ!!巻島さん!!

秋元の苦悩と決断

秋元は元々は巻島の部下で、ワシの事件でも一緒に捜査をしていました。

ワシの事件が未解決に終わり、巻島や本田たちは地方へ飛ばされていく中、秋元は若宮に助けられ、本部に残ることができました

しかし、地位を守られた秋元でしたが、同時に裏金工作に巻き込まれることになってしまいます。

秋元は裏金を分担して現金管理していた4人の一人で、取引現場で5000万円を淡野に渡す役になってしまいます。

最初は裏金を淡野に渡して、淡野が消えれば、裏金のことが発覚しなくて済むという理由で取引に同意し、捜査の邪魔までしていましたが、

巻島と向き合い、彼の事件解決に注ぐ熱さに負け、本当のことを話してしまいます。

巻島から現金受け渡し時に、ペン型カメラで淡野の顔を撮影するように命令されましたが、

取引現場について、車を降りる時にそのペン型カメラを若宮に取り上げられてしまいます。

しかし、秋元はもう迷っていませんでした

自分の地位がどうなろうと、他の者たちがどうなろうと巻島に託し、事件解決のために協力する決意は堅かったのでした。

秋元は咄嗟に電話に出るふりをして、スマホで淡野の顔を撮影することに成功します。

カメラ作戦が失敗に終わったと思っていたので、

この事実を知ったとき、私を裏切る会心の一撃が出て、

「よくやった!秋元!」と

小さくガッツポーズをしてしまいました。

居眠りくん小川の活躍

私の推しキャラクターのチョンボ小川くん。

第1作では、本部長賞をラッキーで取ってしまう大活躍でした。

しかし、第2作では、前作のような活躍は見られなくて、ファンとしては、残念でした。

良い役どころはあるものの、肝心の場面で居眠りしてしまっており、同僚から「居眠りくん」という新たなニックネームで呼ばれることとなります。

そんな居眠り小川くんが今作では、前作に登場したスマホゲームにハマって、仕事中でも隙あらばゲームしちゃうようになっています。

今作も期待できないのかと、イジられる小川くんを見ながら、第1作目のような活躍を期待し、応援していました。

大活躍!淡野キラー

なんと今回の小川くんは大活躍です。

横浜の街で職質をかけていた時に、ドンピシャで淡野に声をかけます。

その時はうまくかわされてしまったのですが、その時の経験が生きることになります。

秋元が淡野の顔の撮影に成功した後、再度逃げ回る淡野を探していた時、警戒して歩いている淡野は、刑事らしからぬ雰囲気の小川(笑)に気づくのが遅れ、すれ違ってしまいました。

小川くんは前回の職質で淡野の特徴を覚えていたので、すぐに淡野だと気づきます。

今回も逮捕には至らず、間一髪で逃げられてしまうのですが、捜査が進む大貢献をしました!

ナイス小川くん!

ポリスマンわかっちゃった

小川くんの活躍はそれだけに止まりません!

なんと警察内部にスパイがいる

という話が出た時に

真っ先に小川くんだけがスパイ候補を思いつくことになります。

その人物は同期の青山でした

小川くんは普段から人間観察を趣味にしており、青山のやたらといろんな部署の人間の情報ばかりを知りたがっている様子から、スパイではないかと気づくのでした。

結局

青山はポリスマンではなく、以前からポリスマンの捜査をしていた人物だったのですが、

小川くんにスポットが当たることが多く

ファンとしては、彼の活躍がとても嬉しく、次はどんな活躍か期待して楽しめました。

次回作での活躍も楽しみです。

次回作が楽しみすぎる!

次回作は10月22日に発売されるようです。

これは買いですね!

ポリスマンは誰なのか?

ワイズマン対巻島の展開はどうなるのか?

ワシについて語られるのか?

推しの小川くんはどんな活躍をするのか?

今から楽しみで仕方ありません!!

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