純文学=「捉え方が人によって変わるような文章」って解釈しています。
結論がはっきりしている作品と違う文学の味わい方ができそうで、魅力を感じました。
純文学で検索すると「火花」が出てきたので、audibleで検索するとありました!
早速聞いてみたので、レビューします
作品紹介「火花」
お笑いコンビ、ピースの又吉直樹さんが書いた作品です。
主人公は駆け出しのお笑い芸人、徳永と事務所は違うけど、ある会場で一緒になりそこから徳永の師匠になった神谷を中心に描かれる作品です。
Googleで「火花」って検索したら「わけわからん」が検索候補に上がってきたので、ストーリーがわかりやすく展開し、結末がわかりやすい話を求めておられる方には不満足な展開だったかもしれません。
まさに純文学と言えるのではないでしょうか。
まず、文章がめっちゃ多彩です。
描写が上手で、情景がスッと思い浮かびます。
audibleで朗読しているのは
俳優の堤真一さんです。
堤さん、すごく聴きやすい!
気になった方はaudibleチェックしてみてください。
火花の面白かったところ
①対称的な2人のキャラクターです。
二人が出会った頃から神谷さんは、徳永に自分の伝記を書くように依頼しています。
そんな神谷の独自の視点から語られることが話の中にたくさん出てきます。
神谷は四六時中笑いのことばかり考えています。
自分の笑いを信じており、キャラを立てたり、他人に愛想を振りまきません。絶対世間に合わせることなく、赤ん坊にさえ自分の面白いと思った方法で笑せようとします。
一方徳永は自分に自信がなく、世間のニーズを敏感に感じ、世間に認められる笑いを目指して腕を磨き、少しずつ仕事が増えますが最終的に大成することなく、相方の結婚を機に解散、引退します。
対称的な2人のやりとりはいつも面白いです。
聞きながら声を出して笑ってしまうこともありました。
1番笑ったのは神谷さんに頼まれて、ユキさんの家に荷物を取りに行く場面です。緩急バツグンでした。
作中に花火が特徴として出てくる
最初に主人公が出てきたのが、花火大会会場の漫才大会に出演している場面です。
主人公は世間に合わせた笑いで、通り過ぎる人にあまり見向きされない状態なのに、
花火は一瞬で主人公から注目を掻っ攫います。
一瞬に全てをかけ、輝き、散る
まさに神谷が目指す芸人のようでもありながら、
神谷は世間から注目されることはありませんが、花火は一瞬で人々が注目します
しかし、花火は世間に媚びません、自分の特徴をただ発揮してるだけです
でも人々はその強烈な音と輝きにひかれて見上げてしまいます
この対比が上手に描かれてると思います
ホンマにわけわからん?
確かにストーリーが起承転結でハッキリとした終わりがないので、見る人によって持つ感想、感じ方は変わって来ると思います。
でも
又吉さんが考えるお笑いの世界、体験してきた芸人の世界、出会ってきた芸人たちの全てが詰まっているのだと思います。
そこからあなたはどんなことを感じるのでしょうか ?
メッセージもありました!
芸人の世界は一人では成立しない
面白くない人、面白くない芸、ライバル、それぞれの特徴があるから、お互いが繋がり、刺激し合い、比較することで突き抜けた芸が出てくる
1人では成立しないものだと語られる場面があり、これはどの分野の世界でも共通することだと思いますし、強いメッセージを受け取りました。
他の純文学作品もaudibleなら聴き放題です!
読んだ方がいいって思ってたけど、聞いてみたら意外といいやん!でしたよ〜
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