お腹を抱えて笑う!お話を聞くだけで英語ができるようになるTPRS

世の中にはPolyglotという多言語話者が存在します。彼らはそれぞれ独自の違った学習方法で言語をマスターしています。今日はTPRSという教授法を紹介します。

TPRSとは

Teaching Proficiency through Reading and Storytellingの頭文字をとっています。

Proficiency習熟という意味です。

つまり読書やお話を通して、言語を習得させる方法という意味になります。

こちらの教授法はアメリカの高校でスペイン語を教えているBlain Rayさんが考案した教授法です。

彼がスペイン語の先生だったことから、スペイン語の授業動画はたくさんあります。

中国語のレッスン動画もたくさんあります。私はKerenさんが授業をしながら、TPRSの授業について解説している動画を見つけ、この動画から勉強しました。

こんなに楽しい授業で言語が身に付いたら、最高じゃないですか?

こちらの動画です。

私がTPRSのことを初めて知って、調べた頃より、動画が増えているので、もっと参考になる動画はあるかもしれません。

もし良い動画が見つかったら、その時は紹介させていただきます。

今回紹介する動画が実際の授業のポイントなども解説している動画です。

自分がいざ、TPRSで教えようと思った時に、この動画を何度も見返して、授業作りに役立てました。

TPRSで大事なこと

インプット(覚えさせたい内容)をサークリング(繰り返し)

・インプット

その授業で覚えさせたい内容(インプットさせたい内容)を黒板、動画では(ホワイトボード)に書き出し、何度も少しずつ内容を変えながら繰り返し伝え、インプットさせていきます。

Stephen Krashen教授のインプット理論がベースになっています。インプット理論についてはまた記事を書きます。

学習者にとってcomprehensible input(理解可能なインプット)を与えることにより、無意識レベルに浸透するインプットになります。

・サークリング

「好き」という言葉を覚えさせたいならば、何度も繰り返し主語や目的語を変えながら「〇〇さんは❌❌が好き。」という表現を伝えます。

ただ関係ない人(Ken,Tomなど例文によく出てきますよね。)を主語にするより、その場にいる学習者を巻き込んで、その人たちを主語にして文を作ったり、有名人などの名前を使うことで学習者の不安を取り除いたり、興味を高めたり、楽しい内容にしています。

・affective filter(情意フィルター)

人間のネガティブな感情が第二言語の習得に悪い影響を与えているという仮説です。楽しい雰囲気を作るのは、こちらのフィルターに配慮したためです。

文法はちょこっとよ

TPRSでは、文法について教えることがあります。これはインプット理論からは、ズレています。インプット理論では、文法は必要ないことが強調されています。

TPERSでは、POP UP グラマーといって、文法の説明はできるだけ、短く簡単に説明します。

楽しい、面白い、独創的なお話を創る!

覚えさせたい単語や表現を何度もサークリングしてある程度覚えたら、最後にみんなで面白い話を作ります。

主人公は誰にするのかからスタートします。生徒たちが口々に名前をあげます。先生、生徒の反応が良いものを先生が採用します。

よくサンプル動画で上がってくるのは、ドナルド・トランプを主人公にしていたりします。

物語の展開もみんなが面白がれるような内容を引き出し、時には先生が誘導しながら物語を作っていきます。

生徒たちはそれこそ、自分たちオリジナルの物語を自分たちの頭の中で作り話を何度も再生することで覚えさせたい内容が無意識レベルに浸透し、習得していきます。

生徒に新しい単語と文法を教え、誰かもわからない興味が湧かない英文を2、3回音読してドリルさせたり、早速その新出内容をみんなの前で発表させて練習させようとする授業では、生徒の不安を煽るばかりで楽しくなく、何も身につかないです。

生徒が安心して、楽しく授業が受けられる。そして意識せずとも、無意識に覚えてしまう。

そんな授業作りの参考にしてみてください。

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